美容看護師に転職するとクレームの対応をしなければならないこともあります。
美容看護師に転職すると一般病院と異なり、クレームが自分に直接来ることもありその対応も自分でしなければなりません。
その場合、相手の話をしっかりと聞く、迅速に解決策を提案するといったことが重要となります。
目次
クレームはなぜ発生する?
クレームはできれば受けたくありませんが、どんなに気を付けていてもどうしても発生することがあります。
具体的にはどのようなクレームが発生するのでしょうか。
施術に対しての不満
思っていたよりも効果が得られなかった、仕上がりに満足しなかった、施術後の副作用や痛みなどが出た、などの施術に関してのトラブル。
スタッフの対応や態度に対しての不満
スタッフが冷たく話をしっかりと聞いてくれない、電話がつながらなかったり来院しても待たされる、施術や治療に関してしっかりと説明してくれない、雑だったなどの接遇や技術面でのトラブル。
設備や環境面に対しての不満
クリニック全体の掃除が行き届いてない、道具や備品が散乱し 整理整頓がなされていない、トイレが汚れているなどの衛生面や環境面のトラブル。
クレームがあまりにも多いと、口コミで悪い噂が広がったり、ネット上やSNSなどで、マイナス評価として投稿されたり、場合によっては訴訟問題にも発展する可能性があります。
それにより美容クリニックの信用がなくなり、来院数が減少するという悪影響が出てくるのです。
クレーム対応の仕方
医療事故に限らず 日常の些細なトラブルや苦情への対応も一歩間違えれば訴訟問題にまで発展してしまうことも。
クレームに対しては、個人で解決するよりも、組織で対応することが何よりも重要になります。
お詫びをする
クレームがあった場合、まず「謝る」ことが大切です。ただし、「ご不快な思いをされたのですね。大変申し訳ありません。」など、あくまでお詫びの対象は、お客様が感じた不安や不快な思いに対してです。ここで大切なのは、「事実確認」ができていない状態でのクレーム対象となる事柄についての謝罪や言い訳はしないようにしましょう。
相手の話をよく聞く
相手の話にただ傾聴するだけでなく、この時「事実確認」のための情報収集とクレームの内容、相手の要求が妥当であるかどうかの判断も行うことが大切です。
相手を刺激したり、不満が増幅しないために次のような点に留意することが重要となります。
・相手に目線の高さを合わせる
・相手と正面で向き合い、目を見て話す
・言葉遣いに気を付ける
・意味もなく微笑んだり、笑ったりしない
・適度なタイミングで相づちを打ったり、頷くなどの反応をする
・相手の話を中断させない
迅速な対応をする
クレーム対応にかける時間は、おおむね1時間から1時間半程度に留めておきましょう。あまり時間をかけすぎてしまうと、クレームの範囲や内容が拡大していってしまうため、注意が必要です。
クレームを切り上げる際には次の点に留意しましょう。
・相手の主張をわかりやすく要約する
例)
「〇〇様のおっしゃることは分かりました。ご指摘の内容は××~△△ということでよろしいでしょうか。」
・要約した内容に間違いがなければ切り上げる
ここでも、「追い返された」と相手が感じてしまわないように、いい加減な回答はせず、「お話は確かに承りました。当方でも事実関係を改めてお調べして、その結果をご報告いたしますので、〇月□日に再度お越しいただけますでしょうか。」などと伝え、次の約束をすることが大切です。
できないことはできないと理不尽な要求は拒否する
クレームの中には理不尽なクレームや不可能なクレームもあります。
そのような時には「できない」とはっきりと拒否することも大切です。
しかし、このときも相手の気持ちに寄り添い、「誠に申し訳ありませんが」というように言葉の前にワンクッション入れて上手に話しましょう。
少なからず起こりうるクレームへの対応は、各クリニックでマニュアル化し、組織の共通認識として周知徹底させることが大切です。
相手との一連のやり取りを先方の許可を得てから録音し記録したり、お客様からの感謝の手紙や お礼の品があった場合、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)を徹底するなど、クリニック内の出来事はすべて組織で対応することが大切です。
【ケース別】美容クリニック クレーム対応例
ここからは、美容クリニックでよくあるクレームや苦情に対する、実際の対応方法を簡単に確認していきましょう。
施術に対する不満に対して
初めに、相手が どんなことに対して不満に感じているかということを確認します。
その後、施術前に説明した内容を再確認してもらったり、原因を探って説明します。
この時、場合によっては、追加施術の提案も行います。
こうした施術に対するクレームを防止するために、事前にしっかりと説明を行い、ご理解いただくこと、どんなお客様にも丁寧に施術することが大切です。
また、日ごろからお客様とのコミュニケーションを密にし、相手の表情や納得しているかなどを読み取ることで、不満や不安が小さい段階でキャッチすることが可能になります。
施術後に不調をきたすのは、医療ミスだけでなく、お客様の体質であったり、お客様の確認不足など、原因は多岐にわたります。
しかし、いずれのケースにおいても まず原因究明をするのではなく、担当医師や院長に相談して、一刻も早く治療や対策の指示を受けるようにしましょう。
対応・設備への不満
接客や設備に対するクレームに関しては、まず“不快な思いをさせたこと”に対して謝罪しましょう。そして、今後このようなことが起こらないように、再発防止や改善を徹底する旨を伝えましょう。
このようなクレームに関しては、自分たちが気を付けたり、気遣いを行うだけで防ぐことができます。日ごろから態度や言葉遣い、表情に気を付けたり、清潔な身なりを心がけるなど お客様が気持ちよく過ごせる環境づくりを心がける必要があります。
クレームは必要!?
「クレーム」と聞くと印象は悪いですが、悪質なものを除き、実はクリニックの改善や見直しにつながる良いきっかけとなります。したがって、クレーム対応を嫌がらず、真摯に受け止め、より良いクリニックになるように対応していくことが大切です。
まとめ
美容看護師は接客業でもあります。
来院するのは患者さんではなくお客様です。
そのため一般病院と異なり、クレームが発生しやすく、クレーム対応も自分でしなければならない場面にも遭遇します。
接客部分も大切な仕事と理解して転職に臨みましょう。